相続手続きを進める際、
「遺産分割協議書には実印が必要ですか?」
「認印でも大丈夫ですか?」
というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げると、
法律上、遺産分割協議書への押印が必ず実印でなければならないという決まりはありません。
しかし、実際の相続手続きでは、実印で押印していただくことが一般的です。
この記事では、その理由をわかりやすくご説明します。

遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書とは、相続人全員で遺産の分け方について話し合い、その内容をまとめた書類です。
例えば、
・誰が不動産を相続するのか
・預貯金をどのように分けるのか
・その他の財産を誰が取得するのか
などを記載します。
相続登記(不動産の名義変更)や預貯金の解約・名義変更など、多くの相続手続きで必要となる重要な書類です。
遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります
遺産分割協議は、相続人全員が参加して行う必要があります。
一人でも相続人が参加していなかったり、相続人が漏れていたりすると、その遺産分割協議は原則として無効となります。
そのため、遺産分割協議を始める前に、
・相続人が誰なのか
・相続人が全員判明しているか
を戸籍によって正確に確認することが大切です。
遺産分割協議から相続手続きまでの流れ
被相続人がお亡くなりになる
戸籍を収集して
相続人を確認
相続人全員で
遺産分割協議
遺産分割協議書を作成
(全員が署名・押印)
相続登記・預貯金などの
各種相続手続き
⚠ 注意
遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。
相続人が一人でも漏れている場合、その遺産分割協議は原則として無効になります。
そのため、まずは戸籍を収集して、相続人を正確に確認することが非常に重要です。
特に、
・前婚のお子様がいる場合
・認知したお子様がいる場合
・養子縁組をしている場合
などは、思わぬ相続人が判明することもあります。
当事務所では、戸籍の収集から相続人の調査までサポートしておりますので、ご自身での判断が難しい場合も安心してご相談ください。
法律上は実印でなくても有効
意外に思われるかもしれませんが、
民法には「遺産分割協議書は実印で押印しなければならない」という規定はありません。
そのため、法律だけを見ると、認印で作成した遺産分割協議書が直ちに無効になるわけではありません。
法律上の取扱いと、実際の相続手続き(実務)では考え方が少し異なります。違いをまとめると、次のとおりです。
法律上と実務上の違い
| 項目 | 法律上 | 実務上 |
|---|---|---|
| 実印でなければならない? | ❌ 必須ではありません | ⭕ 実印で作成することが一般的です |
| 認印で作成できる? | ⭕ 可能です | △ 手続先によっては、改めて実印で押印した遺産分割協議書の作成をお願いする場合があります |
| 相続登記 | - | 遺産分割協議書への実印での押印や印鑑証明書の提出が一般的です |
| 預貯金の相続手続き | - | 多くの金融機関で実印での押印や印鑑証明書の提出が求められます |
| 当事務所のご案内 | - | 相続人全員に実印で押印いただくことをおすすめしています |
それでも実印で押印することが多い理由
実際の相続手続きでは、実印で押印した遺産分割協議書や印鑑証明書の提出を求められることが多くあります。
例えば、
・相続登記(不動産の名義変更)
・預貯金の解約・名義変更
・証券会社での相続手続き
などです。
実印が求められることが多い主な相続手続き
| 相続手続き | 一般的な取扱い |
|---|---|
| 🏠 相続登記 | 遺産分割協議書への実印での押印や印鑑証明書を提出するのが一般的です。 |
| 🏦 預貯金の解約・名義変更 | 多くの金融機関で実印や印鑑証明書の提出が求められます。 |
| 📈 証券会社の相続手続き | 実印や印鑑証明書の提出を求められることが多くあります。 |
※ 必要書類は、手続先や相続内容によって異なる場合があります。
そのため、実務では最初から相続人全員に実印で押印していただく方法が一般的です。
認印で作成するとどうなる?
認印で作成した場合でも、法律上は直ちに無効になるわけではありません。
しかし、
・登記手続きで実印が必要だった
・金融機関から実印で押印し直すよう求められた
といった理由から、手続先によっては、改めて実印で押印した遺産分割協議書の作成をお願いする場合があります。
相続人が遠方に住んでいる場合は、書類の郵送や押印のやり直しに時間がかかることも少なくありません。
最初から実印で作成しておけば、多くの相続手続きをスムーズに進めることができます。一つの遺産分割協議書を、相続登記や預貯金の解約など複数の手続きで利用しやすくなる点もメリットです。
当事務所では実印での作成をご案内しています
当事務所では、相続登記だけでなく、預貯金などの相続手続きも見据え、
相続人全員に実印で押印していただく方法をご案内しております。
状況によって必要書類は異なりますので、お一人おひとりのケースに合わせてご説明いたします。
よくあるご質問
お住まいの市区町村で印鑑登録を行えば、実印として使用できます。
印鑑登録後は、印鑑証明書も取得できるようになります。
相続登記で法務局へ提出する印鑑証明書には、発行後3か月以内といった有効期限はありません。
ただし、金融機関などでは独自に「発行後3か月以内」などの期限を設けている場合がありますので、提出先ごとの確認が必要です。
法律上、遺産分割協議書に必ず印鑑証明書を添付しなければならないという決まりはありません。
しかし、相続登記や金融機関での相続手続きでは、印鑑証明書の提出を求められることが多くあります。
提出先によって必要書類は異なりますので、事前に確認しておくと安心です。
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