相続した建物について調べてみたら、増築した部分が登記されていなかった――。
このような場合、登記簿に記録されている建物の床面積と、実際の建物の床面積が一致していないことがあります。
増築部分が未登記の場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。
また、建物を解体する予定がある場合も、増築部分の登記をしなければならないのでしょうか。
今回は、増築部分が未登記の建物を相続した場合の手続きと注意点を解説します。
🏠 増築部分が未登記とは?
建物を新築した場合には、原則として「建物表題登記」を行います。
一方、すでに登記されている建物を増築し、床面積などに変更が生じた場合には、「建物表題部変更登記」が必要になります。
例えば、次のようなケースです。
・1階部分に部屋を増築した
・平屋を2階建てに増築した
・建物の一部を増築したが、登記手続きを行っていなかった
このような状態で相続が発生すると、登記簿上の建物と実際の建物に違いが生じていることがあります。
なお、増築の内容によって必要な登記が異なる場合があります。
📜 増築した場合の登記義務
不動産登記法では、建物の表示に関する登記について、一定の申請義務が定められています。
- 第47条:新築建物などの表題登記
- 第51条:増築などによる建物の表題部の変更登記
- 第164条:正当な理由なく所定の申請を怠った場合の過料
既存の建物を増築し、登記事項に変更が生じた場合には、原則として変更があった日から1か月以内に変更登記を申請する義務があります。
この義務に違反した場合、10万円以下の過料に処される可能性があります。
長期間登記をしていなかった場合でも、そのまま放置せず、必要な手続きを確認することが大切です。
📝 相続した場合、どのような手続きが必要?
増築部分が未登記の建物を相続した場合、確認したいのは次の2つです。
① 建物表題部変更登記
増築によって建物の床面積などが変わっている場合、登記簿の内容を実際の建物に合わせるための手続きです。
この手続きは、土地家屋調査士の専門分野になります。
② 相続登記(所有権移転登記)
亡くなった方の名義になっている建物について、相続による所有権の移転を登記する手続きです。
こちらは司法書士の専門分野です。
ただし、増築部分が未登記だからといって、必ず建物表題部変更登記を完了させてからでなければ相続登記ができないわけではありません。
登記簿の内容や建物の状況を確認し、必要な手続きとその順序を判断することになります。
🏗 建物を解体する予定がある場合は?
相続した建物を解体する予定がある場合には、対応が変わることがあります。
例えば、建物を取り壊した後は、原則として滅失の日から1か月以内に「建物滅失登記」を申請する必要があります。
建物滅失登記も、土地家屋調査士の専門分野です。
建物を解体する場合、状況によっては、解体前の建物表題部変更登記や相続による所有権移転登記を行わずに手続きを進められることもあります。
ただし、建物の登記状況、相続関係、解体の予定などによって対応が異なるため、解体するから登記は不要と自己判断しないことが大切です。
また、建物だけでなく土地も相続している場合には、土地の相続登記についても別途確認する必要があります。
⚠️ 解体前に確認しておきたいこと
建物を解体する予定がある場合には、次の点を確認しておきましょう。
① 建物の登記内容
登記事項証明書を取得し、登記簿上の床面積や構造などを確認します。
② 相続人との関係
亡くなった方の名義のままになっている場合、解体や登記手続きにあたり、相続関係を確認するための資料が必要になることがあります。
また、解体について相続人間で意見が一致しているかも重要です。
③ 解体業者との確認
解体業者によっては、登記名義人と依頼者の関係を確認するため、相続関係を証明する書類などを求める場合があります。
④ 土地家屋調査士への相談
増築部分の登記や解体後の滅失登記について、どのような手続きが必要になるか、事前に確認しておくと安心です。
💡 まとめ
増築部分が未登記の建物を相続した場合、建物の状況や今後の利用予定によって必要な手続きが変わります。
特に、建物をそのまま利用するのか、売却するのか、解体するのかによっても、確認すべき事項は異なります。
まずは登記簿と実際の建物の状況を確認し、必要に応じて土地家屋調査士や司法書士に相談することをおすすめします。
登記と実際の建物の状況が一致していない場合には、早めに確認しておくことが大切です。
相続した建物の登記でお困りの方へ
相続した建物の登記内容が実際の建物と異なる場合、建物の状況によって必要な手続きが変わります。
M2K司法書士事務所では、相続登記など、相続に関するお手続きについてご相談を承っております。
なお、建物の表題部変更登記や滅失登記は、土地家屋調査士の専門分野となります。
初回のお問い合わせは、メールフォームまたはLINEで受け付けております。
