検認の流れや必要書類を解説

「遺言書が見つかったけれど、何から始めればいいかわからない」
相続の場面では、このようなご相談を多くいただきます。
特に、自宅等で保管されていた自筆証書遺言の場合には、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になるケースがあります。
また、検認後には、不動産の相続登記や預貯金の解約など、さまざまな相続手続きを進めていくことになります。
本記事では、遺言書が見つかった場合の一般的な手続きの流れや、家庭裁判所での検認手続き、必要書類などについて司法書士が解説します。
遺言書が見つかったときの一般的な流れ
遺言書が見つかった場合には、遺言書の種類や保管状況を確認したうえで、必要に応じて家庭裁判所での「検認」手続きを進めることになります。
その後、不動産の相続登記や預貯金の解約など、相続手続きへ進んでいきます。
遺言書が見つかったときの一般的な流れ
遺言書を発見
遺言書の種類を確認
必要に応じて検認申立て
検認済証明書を取得
相続登記・預貯金解約など
遺産承継手続き完了
まずは遺言書の種類を確認することが重要です
遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、法務局保管制度を利用した自筆証書遺言など、いくつかの種類があります。
特に、自宅等で保管されていた自筆証書遺言については、家庭裁判所で「検認」が必要になるケースがあります。
検認後に相続手続きを進めます
検認が必要な場合には、家庭裁判所で手続きを行い、「検認済証明書」を取得します。
その後、不動産の相続登記や預貯金の解約など、各種相続手続きを進めていく流れになります。
不動産がある場合は相続登記も必要です
遺言書に不動産についての記載がある場合には、法務局で相続登記を行う必要があります。
相続登記を行わないままでは、不動産の売却などができないケースもあります。
そのため、遺言書が見つかった場合には、早めに全体の流れを整理しておくことが重要です。
遺言書が見つかったらまず確認したいこと
遺言書らしき書類が見つかった場合には、慌てて開封したり手続きを進めたりする前に、まず状況を整理することが重要です。
特に、自筆証書遺言かどうかによって、必要な手続きが大きく異なります。
まず確認したいポイント
自筆証書遺言では検認が必要になるケースがあります
自宅等で保管されていた自筆証書遺言については、家庭裁判所で「検認」が必要になるケースがあります。
そのため、封印された遺言書を見つけた場合には、まず遺言書の種類や保管状況を確認することが重要です。
公正証書遺言や法務局保管制度では対応が異なります
公正証書遺言や、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用している場合には、原則として検認不要です。
そのため、「どの種類の遺言書なのか」を整理することで、その後の流れが大きく変わります。
不動産相続がある場合は早めの確認が重要です
遺言書の内容によっては、不動産の相続登記や売却手続きに影響することがあります。
特に、実家や空き家などの不動産がある場合には、早めに全体の流れを確認しておくことをおすすめします。
自筆証書遺言では家庭裁判所の「検認」が必要になることがあります
遺言書にはいくつか種類がありますが、特に注意が必要なのが、自宅等で保管されていた「自筆証書遺言」です。
この場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になるケースがあります。
遺言書の種類によって対応が異なります
自筆証書遺言
検認とは、遺言書の状態を確認するための手続きです
検認は、「遺言書が存在していたこと」や「どのような状態で保管されていたか」を家庭裁判所で確認するための手続きです。
なお、検認は「遺言書の内容が有効かどうか」を判断する手続きではありません。
検認をしないままでは、相続手続きを進められないことがあります
自宅等で保管されていた自筆証書遺言については、相続登記などの手続きで、家庭裁判所の「検認済証明書」の提出を求められることがあります。
そのため、検認を行わないままでは、法務局で相続登記を進められないケースがあります。
勝手に開封すると過料の対象となることがあります
封印のある自筆証書遺言を、家庭裁判所での検認を経ずに開封した場合には、5万円以下の過料の対象となることがあります。
ただし、誤って開封してしまった場合でも、原則として相続権が失われるわけではありません。
開封済みであっても、家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。
検認申立てをする家庭裁判所
自筆証書遺言の検認を行う場合には、家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。
申立先は「被相続人の最後の住所地」を管轄する家庭裁判所です
検認の申立ては、遺言を書いた方(被相続人)の「最後の住所地」を管轄する家庭裁判所へ行います。
例えば、
- 亡くなった方が神奈川県○○市に住んでいた
- 施設へ入所していた
- 住民票上の住所が別になっている
このような場合には、「どこの家庭裁判所へ申立てをするのか」を確認する必要があります。
検認申立てをする家庭裁判所
被相続人の最後の住所地を確認
管轄の家庭裁判所を確認
検認申立てを行う
相続人の住所ではありません
検認申立てをする家庭裁判所は、申立人や相続人の住所地ではなく、「被相続人の最後の住所地」で決まります。
そのため、現在住んでいる場所とは別の地域の家庭裁判所へ申立てが必要になるケースもあります。
管轄がわからない場合は事前確認をおすすめします
住民票や戸籍の内容によっては、管轄判断がわかりにくいケースもあります。
特に、施設入所や転居が多かった場合などには、事前に家庭裁判所へ確認しておくと安心です。
検認に必要な書類と費用
家庭裁判所で検認手続きを行うためには、申立書のほか、戸籍類などの必要書類を準備する必要があります。
また、収入印紙や郵便切手などの費用もかかります。
主な必要書類
必要書類はケースによって異なります
相続関係や遺言内容によっては、追加資料を求められるケースもあります。
特に、相続が何代にも発生している場合や、戸籍が複雑な場合には、必要書類が増えることがあります。
主な費用の目安
郵便切手の金額は家庭裁判所によって異なります
検認手続きでは、相続人への通知などに使用する郵便切手の提出を求められます。
必要な金額や内訳は家庭裁判所ごとに異なるため、事前確認がおすすめです。
戸籍収集に時間がかかることもあります
特に、古い戸籍や転籍が多いケースでは、戸籍収集に時間がかかることがあります。
そのため、遺言書が見つかった場合には、早めに準備を始めることが重要です。
家庭裁判所の検認当日の流れ
検認申立てを行うと、後日、家庭裁判所から「検認期日」の通知が届きます。
ここでは、一般的な検認当日の流れについてご説明します。
検認当日の一般的な流れ
家庭裁判所から期日通知
検認期日に出頭
遺言書の開封・確認
検認調書の作成
検認済証明書を取得
申立て後、約1か月程度で期日通知が届くことがあります
検認申立て後、家庭裁判所から検認期日の通知が郵送で届きます。
時期は家庭裁判所の混雑状況によって異なりますが、申立てから約1か月程度で指定されるケースもあります。
申立人は原則として出頭します
検認期日には、申立人が家庭裁判所へ出頭して手続きを行います。
一方で、相続人全員が必ず出席しなければならないわけではありません。
欠席者がいる場合でも、検認手続き自体は進められることがあります。
当日の持ち物の例
- 印鑑
- 遺言書
- 家庭裁判所から指定された書類
- 本人確認書類
検認では遺言書の状態確認や開封を行います
封印された遺言書については、家庭裁判所で開封手続きが行われます。
そのうえで、遺言書の状態や内容を確認し、検認調書が作成されます。
なお、検認自体は比較的短時間で終わるケースもあり、10〜20分程度で終了することもあります。
検認後は「検認済証明書」を取得します
検認後には、「検認済証明書」の発行を受けることができます。
この証明書は、相続登記や預貯金解約などの相続手続きで提出を求められることがあります。
そのため、検認後は、相続手続きへ進む準備を進めていくことになります。
検認後は相続手続きへ進みます
家庭裁判所で検認手続きが完了した後は、遺言書の内容に沿って相続手続きを進めていくことになります。
特に、不動産や預貯金がある場合には、各機関で名義変更等の手続きが必要です。
検認後の一般的な流れ
検認済証明書を取得
不動産の相続登記
預貯金・証券等の解約や名義変更
遺産承継手続き
相続手続き完了
不動産がある場合は相続登記が必要です
遺言書に不動産についての記載がある場合には、法務局で相続登記を行う必要があります。
相続登記を行わないままでは、不動産の売却や担保設定などができないケースがあります。
金融機関でも遺言書の提出を求められることがあります
預貯金の解約や証券口座の手続きなどでは、遺言書や検認済証明書の提出を求められるケースがあります。
そのため、検認後は、必要書類を整理しながら各種相続手続きを進めていくことになります。
相続手続きは内容によって必要書類が異なります
不動産、預貯金、有価証券など、相続財産の内容によって必要な手続きや書類は異なります。
また、相続人が多い場合や、不動産が複数ある場合には、手続きが複雑になることもあります。
そのため、遺言書が見つかった場合には、検認だけで終わりではなく、その後の相続手続きまで見据えて準備を進めることが重要です。
このような場合は早めの相談をおすすめします
遺言書が見つかった場合、遺言書の種類や保管状況によって、必要な手続きが異なります。
特に、自筆証書遺言では、家庭裁判所での検認手続きが必要になるケースがあります。
次のような場合には、早めに状況を整理しておくことをおすすめします。
- 自宅から手書きの遺言書が見つかった
- 封印された遺言書を見つけた
- 検認が必要か判断できない
- どこの家庭裁判所へ申立てするかわからない
- 戸籍収集や必要書類が複雑になっている
- 相続人が多い
- 不動産の相続がある
- 相続登記や不動産売却を予定している
- 相続人同士で意見が分かれそう
- 既に遺言書を開封してしまった
特に、不動産相続が関係する場合には、検認後に相続登記などの手続きも必要になります。
また、相続が何代にも発生している場合や、不動産が複数ある場合には、必要書類や手続きが複雑になるケースもあります。
M2K司法書士事務所では、検認手続きに関するご相談だけでなく、その後の相続登記や遺産承継手続きまで一括してご相談いただけます。
「まず何から確認すればいいかわからない」
そのような段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
必ず必要になるわけではありません。
自宅等で保管されていた自筆証書遺言では、家庭裁判所で検認が必要になるケースがあります。
一方で、公正証書遺言や法務局保管制度を利用した自筆証書遺言では、原則として検認は不要です。
家庭裁判所の混雑状況にもよりますが、申立てから約1か月程度で検認期日が指定されるケースもあります。
検認期日は、家庭裁判所から郵送で通知されます。
戸籍収集に時間がかかる場合もあるため、早めに準備を進めることが大切です。
相続人全員が必ず出席しなければならないわけではありません。
申立人は原則として出頭しますが、欠席する相続人がいても検認手続きが進められることがあります。
家庭裁判所から届く通知や指定書類を確認して対応することが重要です。
検認後は、検認済証明書を取得したうえで、相続登記や預貯金解約などの手続きへ進みます。
ただし、遺言書の内容や相続財産の種類によって、必要書類は異なります。
不動産がある場合には、法務局で相続登記を行う必要があります。
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