NPO法人の設立では、
株式会社などと異なり、行政の「認証」を受けるための書類提出が必要になります。

書類の数が多く、内容も相互に関連しているため、
「どこから手をつければいいのか分からない」と感じる方も少なくありません。

このページでは、

  • 認証に必要な書類
  • 発起人会で行うこと
  • 設立総会で行うこと

をまとめてご説明します。

認証に必要な書類について

NPO法人の設立認証申請では、
主に次の書類を提出する必要があります。

※提出先や地域によって、様式や細かな取扱いが異なる場合があります。

認証に必要な主な書類(11種類)

書類名内容・ポイント
特定非営利活動法人設立認証申請書行政へ提出する申請書
定款目的・事業内容・機関構成など基本ルール
役員名簿理事・監事の氏名・住所、欠格事由の確認
誓約及び就任承諾書就任意思と欠格事由に該当しない旨
各役員の住所又は居所を証する書面住民票(6か月以内)など
社員のうち10人以上の名簿社員数の要件を満たすための書類
確認書営利目的でないこと等の確認
設立趣旨書設立目的・社会的課題の説明
設立についての意思の決定を証する議事録の謄本設立決議の内容を記録
設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書当初年度・翌年度の活動内容
設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書当初年度・翌年度の収支見込み


「引用:神奈川県 設立認証に必要な書類など

書類作成で注意したいポイント

・書類ごとの表現や内容に矛盾がないか
・定款・事業計画・予算書が整合しているか
・実態に合わない記載になっていないか

認証審査では、
書類全体の一貫性が重視されます。

発起人会(設立準備会)について

発起人会とは

発起人会(設立準備会)は、
設立の中心となるメンバーが集まり、
NPO法人設立に向けた方向性を確認するための会合です。

法律上、必ず開催しなければならない手続きではありませんが、
実務上は行われることが多いです。

発起人会で主に行うこと

  • 法人設立の目的の確認
  • 定款の原案作成
  • 役員構成の検討
  • 事業計画・活動予算のたたき案作成
  • 認証申請書類の方向性確認

この段階での整理が、
後の書類作成や認証審査をスムーズにします。

設立総会(創立総会)について

設立総会とは

設立総会(創立総会)は、
NPO法人を正式に設立するための意思決定を行う重要な会合です。

ここでの決議内容が、
認証申請書類の前提となります。

設立総会で決議する主な事項

・定款の承認
・役員の選任
・事業計画および活動予算の承認
・その他、設立に必要な事項

設立総会の時点では、NPO法人はまだ成立しておらず、
法律上は任意団体の会合となります。

そのため、NPO法に定められた社員総会の定足数や決議要件が
直接適用されるわけではありません。

もっとも、認証審査では、
社員となる予定者の十分な合意があったかどうかが確認されるため、
実務上は、将来の社員総会を想定した形で
設立総会を開催するのが一般的です。

設立総会議事録の重要性

設立総会の議事録は、
認証申請に必ず添付する重要書類です。

議事録には、

  • 開催日時・場所
  • 出席した社員の人数
  • 議事の経過および決議内容

などを正確に記載する必要があります。

議事録に署名が必要な人

設立総会の時点では、NPO法人はまだ成立しておらず、
法律上は任意団体の会合となるため、
NPO法上の議事録署名人に関する規定が
直接適用されるわけではありません。

もっとも、認証審査では、
設立総会での合意内容を客観的に確認する必要があるため、
実務上は、議長および出席した社員のうち2名以上が
議事録に署名(または記名押印)するのが一般的です。

NPO法人運営時の注意点(定款変更)

定款は、NPO法人の基本ルールを定めた重要な書類であり、
容易に変更できるものではありません。

定款を変更する場合は、
社員総会による承認が必要となり、
決議要件は定款に定められた方法によって行われます。

また、定款変更の内容によっては、
再度、所轄庁の認証が必要になるケースがあります。

再認証が必要となる主な事項

・目的
・名称
・事業の種類
・事務所所在地
・社員の資格の得喪に関する事項
・役員に関する事項
・会議に関する事項
・その他の事案に関する事項
・解散に関する事項
・定款変更に関する事項

設立前に内容を十分に整理しておくことが、
将来の負担を軽減することにつながります。

よくあるご質問

Q. 認証に必要な書類は、すべて最初から完璧にそろえる必要がありますか?

認証申請時には、原則として必要書類一式をそろえて提出する必要があります。

ただし、所轄庁から内容の確認や表現の調整について 補正を求められることは珍しくありません。

最初から完璧を目指すよりも、 書類全体の整合性を意識して準備することが重要です。

Q. 書類の作成は、どれから始めるのがおすすめですか?

一般的には、
定款 → 設立趣旨書 → 事業計画書・活動予算書
の順で検討するケースが多いです。

定款は、その後に作成する書類すべての土台となるため、 最初に方向性を固めておくとスムーズです。

Q. 発起人会は、必ず開催しなければならないのでしょうか?

法律上、発起人会の開催は必須ではありません。

ただし、設立の目的や方向性、役員構成などを整理する場として、 実務上は開催されることが多いです。

発起人会での整理が、 後の書類作成や設立総会を円滑に進めることにつながります。

Q. 設立総会は、必ず対面で開催しなければなりませんか?

必ずしも対面で開催する必要はありません。

書面による議決や委任状を活用するなど、 状況に応じた開催方法を取ることも可能です。

ただし、誰がどのように合意したのかが分かる形で 議事録を作成することが重要です。

Q. 設立総会の時点では、定足数や決議要件は気にしなくてよいですか?

設立総会の時点では、NPO法人はまだ成立しておらず、 法律上は任意団体の会合となります。

そのため、NPO法に定められた社員総会の定足数や決議要件が 直接適用されるわけではありません。

もっとも、認証審査では、 社員となる予定者の十分な合意があったかどうかが確認されるため、 実務上は、将来の社員総会を想定した形で開催するのが一般的です。

Q. 設立総会の議事録には、必ず署名が必要ですか?

法律上、設立総会議事録への署名が 明文で義務付けられているわけではありません。

しかし、認証審査では合意内容を客観的に確認できることが重視されるため、 実務上は署名が必須と考えて対応するのが安全です。

一般的には、議長および出席した社員のうち2名以上が 署名(または記名押印)を行います。

Q. 書類に不備があった場合、申請はやり直しになりますか?

軽微な不備であれば、 補正の指示を受けて修正することで対応できるケースが多いです。

ただし、設立趣旨や事業内容など、 根本的な部分に問題がある場合には、 申請全体の見直しが必要になることもあります。

Q. 設立後に内容を変更したくなった場合、どうなりますか?

定款の内容によっては、 社員総会での承認や、所轄庁の認証が必要になる場合があります。

特に、目的や事業内容、機関に関する事項などは、 変更のハードルが高いため、 設立前に十分に検討しておくことが重要です。

※ NPO法人の設立手続きは、状況や地域によって取扱いが異なる場合があります。
個別の事情については、専門家へご相談ください。

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