公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人が関与して作成する遺言書です。
内容を公証人が確認しながら作成するため、

  • 形式不備による無効のリスクが低い
  • 紛失や改ざんの心配がない
  • 家庭裁判所の検認が不要

といった特徴があります。

確実性や安心感を重視したい方に選ばれることが多い遺言書です。

公正証書遺言の作成の流れ

一般的な流れは、次のとおりです。

公正証書遺言の証人について

公正証書遺言を作成する際には、
証人が2名必要となります。

証人は、遺言書の作成が適正に行われたことを確認する立場で、
内容に同意する人ではありません。

証人になれる人

次のような方は、証人になることができます。

  • 18歳以上の成人
  • 遺言内容に直接の利害関係がない方
  • 公正証書遺言の内容を理解できる方

※友人・知人・専門職(司法書士等)が証人になることも可能です。

証人になれない人

法律上、次の方は証人になることができません。

  • 未成年者
  • 推定相続人(配偶者・子など)
  • 受遺者(遺言で財産を受け取る人)
  • 推定相続人や受遺者の配偶者・直系血族

これらの方が証人になると、
遺言書が無効となるおそれがあります。

証人の手配について

証人の確保が難しい場合でも、
司法書士が証人の手配をサポートすることが可能です。

ご本人やご家族に負担がかからないよう、
状況に応じて対応いたしますので、ご安心ください。

作成の流れにおけるデジタル化について

令和7年10月以降、公正証書遺言の作成手続については、
デジタル化された運用が順次進められています。

遺言内容は、事前にWord等で作成・確認され、
完成した公正証書はPDF形式のデータとして管理・保存されます。

作成日当日は、紙に署名・押印をするのではなく、
公証人の端末上で、ペンタブレットを用いて署名を行います。
この署名は、そのままPDFデータに記録され、
公証人による電子署名が付されることで、公正証書として完成します。

なお、公正証書遺言はデジタル(PDF形式)で作成・管理されますが、
完成後には、従来どおり紙の正本・謄本の交付を受けることも可能です。
デジタル化によって、紙での受け取りができなくなるわけではありませんので、ご安心ください。

令和7年秋、公正証書の電子化がスタート!対面方式による電子公正証書の作成のポイントを解説 - YouTube

作成期間はどれくらいかかる?

公正証書遺言の作成期間は、次のような目安です。

書類が揃っている場合
約2〜4週間程度

・内容が複雑な場合や調整が必要な場合
1〜2か月程度

どのような人が公正証書遺言に向いている?

遺言書には自筆証書遺言という選択肢もありますが、
次のような方は 公正証書遺言を選ぶメリットが大きい といえます。

公正証書遺言が向いているケース

  • 相続人が複数いて、相続トラブルをできるだけ防ぎたい方
  • 財産の分け方について、法定相続と異なる希望がある方
  • 不動産や預貯金など、財産が複数ある方
  • 高齢で、自筆で遺言書を書くことに不安がある方
  • 遺言書が無効になるリスクを避け、確実に意思を残したい方
  • 遺言書の紛失や、発見されないことが心配な方
  • 未婚の方や、お子さまがいない方
  • 再婚されている方や、内縁関係のある方

形式の不備や管理面での不安を避け、
確実性と安心感を重視したい場合には、公正証書遺言が適しています。
公正証書遺言が安心な選択となります。

費用・必要書類

公正証書遺言の費用

公正証書遺言の費用は主に、次の3つで構成されます。

①公証人手数料
②司法書士報酬
③実費

公証人手数料

公証人手数料は、公証人手数料令という法律で定められていて、
財産の目的の価格を基準に算定されます。

公証人手数料(目安)目的の価格手数料
200万円を超え500万円以下13,000円
500万円を超え1000万円以下20,000円
1000万円を超え3000万円以下26,000円
3000万円を超え5000万円以下33,000円
5000万円を超え1億円以下49,000円

※全体の財産が1億円以下のときは、遺言加算として上記に1万3000円が加算されます。
※電子データで発行する場合の手数料は、各1つう当たり2500円となります。
※公証人が、病院、ご自宅、介護施設等に赴いて、遺言公正証書を作成する場合には、公証人の日当と現地までの交通費がかかります。

出典:日本公証人連合会「公証事務/Q7 公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?」(最終確認:2026年1月)

司法書士報酬(税込)

110,000円~

実費

・戸籍等の取得費用
・郵送費、交通費

公正証書遺言の必要書類

・ご本人の本人確認書類
・戸籍謄本等(相続関係確認用)
・財産資料(不動産、預貯金等)

FAQ

よくあるご質問

Q. 公正証書遺言の証人は誰でもなれますか?

公正証書遺言には、証人が2名必要です。

ただし、未成年者や相続人、遺言で財産を受け取る方、その配偶者や直系血族などは証人になることができません。

証人の手配が難しい場合には、司法書士が対応することも可能です。

Q. 公正証書遺言の作成にはどれくらいの期間がかかりますか?

内容や必要書類の状況にもよりますが、一般的には2〜4週間程度が目安です。

内容が複雑な場合や、書類の取得に時間がかかる場合には、1〜2か月程度かかることもあります。

Q. 公正証書遺言の作成には必ず公証役場に行く必要がありますか?

公証人が病院やご自宅、介護施設などへ出張して作成することも可能です。

その場合、公証人の日当や交通費等が別途必要となります。

Q. 公正証書遺言の作成当日はどのような流れになりますか?

作成当日は、ご本人・公証人・証人が立ち会います。

公証人が遺言内容を読み上げ、ご本人が内容を確認します。

内容に問題がなければ署名・押印を行い、公正証書遺言が完成します。

所要時間は30分〜1時間程度が一般的です。

Q. 公正証書遺言は後から変更することができますか?

遺言書は、いつでも作り直すことが可能です。

ご事情やお気持ちの変化に応じて、内容を見直すことをおすすめしています。

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